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日向杏介の麻雀戦術論
第八回 ドラ受けを決めよう
前回の I の牌姿を見てみましょう。
I 東1局西家 ドラ七萬 8巡目 



メンツ手イーシャンテンでトイツが3種類あるときは2種類にしよう、ということで
I の牌姿でが良いということを学びました。
それでは、この2つのどちらがより良いかを検証してみましょう。
切りの場合   の4種12枚
切りの場合   の4種12枚

枚数は同じなので、テンパイ形を比べてみましょう。
切り

    をツモって打でテンパイ(2枚/12枚)
  •   

            ドラのカン待ち4枚 リーチして出上がり2600
    をツモって打でテンパイ(2枚/12枚)
  •   

          ドラのカン待ち4枚 リーチして出上がり2600
    をツモって打でテンパイ(4枚/12枚)
  •   

          ドラのカン待ち4枚 リーチして出上がり2600
    をツモって打 or 打(4枚/12枚)
  •   

          シャンポンの待ち4枚 リーチして出上がり2600
  •   

          カン待ち4枚 リーチして出上がり2600

切り
    をツモって打でテンパイ(2枚/12枚)
  •   

          カン待ち4枚 リーチして出上がり1300
    をツモって打 or 打(4枚/12枚)
  •   

         ドラのカン待ち4枚 リーチして出上がり2600
  •   

         シャンポンの待ち4枚 リーチして出上がり1300
    をツモって打でテンパイ(2枚/12枚)
  •   

          カン待ち4枚 リーチして出上がり1300
    をツモって打でテンパイ(4枚/12枚)
  •   

          カン待ち4枚 リーチして出上がり2600


切りした場合の予想テンパイ形の打点は12通り中12通り、つまり必ず2600点はあります。
対して切りした場合のテンパイ形の打点は、12通り中4通りは1300点にしかなりません。

だからイーシャンテンの段階でドラ受けを決める方が良いのです。


では次に、前回 II の牌姿を見てみましょう。
I 東1局西家 ドラ八萬 6巡目 



同じように II の牌姿で切りになりますが、さてどちらがより良いかを検証してみましょう。

切りの場合   の6種20枚
切りの場合   の6種20枚
枚数は同じなので、テンパイ形を比べてみましょう。 

切り


    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚 リーチして出上がり2000
    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚 リーチして出上がり3900
        をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
         リーチして出上がり2000 出上がり3900
    をツモって打でテンパイ(2枚/20枚)
  •  



リャンメン待ち8枚
         リーチして出上がり1300 出上がり2600
をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  


         リャンメン待ち8枚
         リーチして出上がり2000 出上がり3900
    をツモって打でテンパイ(2枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり1300 出上がり2600


切り



    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり2000
    をツモって打でテンパイ(2枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり1300
    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり3900
    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり2000 出上がり3900
    をツモって打でテンパイ(4枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり2000 出上がり3900
    をツモって打でテンパイ(2枚/20枚)
  •  

          リャンメン待ち8枚
          リーチして出上がり1300

牌姿abcdは、イーシャンテンでどちらを切っても同じテンパイ形になります。
違いはイーシャンテン時の切りでツモの時と、
イーシャンテン時の切りでツモの時です。(牌姿ABCD)

切りのツモはそれぞれ

になり、リーチのみの1300点にしかなりません。

切りのツモはそれぞれ

になり、ドラ受けリャンメン待ちになり、1300以上にはなります。

ドラ受けになっていると、そうでない時より打点も見込めるし、
ドラを場に切らなくてもよいという、ある意味守りにもつながっているのです。

だからこのリャンメン+リャンメン+シャンポン形の牌姿の完全な形の
イーシャンテンでも、ドラ受けを決めるのが良いということなのです。







日向杏介 (ひゅうが きょうすけ)   プロフィール
1994年  宮崎県で初の点五のフリー麻雀荘「まあじゃんさーくるオクトぱス」を開業
2003年  日本プロ麻雀協会所属
2008年  第二回日本麻雀機構杯 優勝(新倉名にて)
タイトル   前 日本麻雀機構杯チャンピオン   
        現 九州エリア王   
        西日本プロリーグ優勝
        第三回金龍王3位
        TAISENプロリーグ
           平均ポイント部門 7,8月優勝
               他、多数。   
トップ率 31.36
アガリ率 24.10%(22.63)
振込み率 11.85% (15.27%)
平均順位 2.27位
 (MJ3データより,括弧内は全国平均値) 
夢       テレビ対局、戦術書出版、全団体タイトル制覇
尊敬する人  羽生善治、イチロー、C.ロナウド、タイガーウッズ