■アントマン　　　☆☆




最初の３０分は少々退屈なのだが、その後のスピード感はかなり良い。

最初の３０分目で物語が実質スタートというのは、ちょっと前の映画シナリオの技法。
現在では、５分〜１５分以内じゃないと、観客は飽きてつまらなくなってしまう。
そういう意味では、昔ながらというかギリギリなところだろうか。
この「セットアップ部分」は、決してムダにはなっていないのだが、
例えば、仲間と娘のプロットのウチ、娘のプロットは中盤に回す、などのやり方をすれば、
もっと冒頭部分は短くできた。
（娘のプットは、スーツを着た後に訓練の当たりで挿入することが可能であった。）
それが成されていれば、この映画は完全にＡ級の映画になっていたことだろう。

しかし、その後の展開はほぼ問題がない。
アクションあり、ＣＧも良く、笑いあり、で、雰囲気はちょっとベイマックスな感じだろうか。

大傑作とは言わないけれども、マーベルブランドのヒーローモノ（アベンジャーズ達）の中では、
アイアンマンと並ぶ傑出した出来だと思う。
アベンジャーズにもアリンコマン、出てこないのかな。


仲間役で出てくるヒスパニック系のマイケル・ペーニャは良い味を出しているのだが、
もう一つ使い切れていないところは残念。
他は、シナリオ的に悪役のモチベーションというか、なんでとっとと博士を殺さないのか？とか、
いろいろアラは多いが、まあこの手の映画ではこんなものなんじゃないだろうか。

これも、劇場に観に行って損は無い面白い映画だ。
ぜひ、家族で観に行って欲しい。

ちなみに、エンドロールはテリー伊藤の名前が出てくるまでちゃんと観ましょう。

　　　『なんと、トーマスが！』