■エベレスト３Ｄ　　　−




史実を元にした映画とのことで、ある程度はしょうがないんだろうが、
普通のフィクション風に始まるが、終盤に向かってどんどんドキュメンタリー風な
リアルさが増していく珍しい映画。

決して良い意味ではなく、悪い意味で盛り上がりや演出に欠ける映画だ。
予告編がまたウソついているわけだが、予告編のような劇的な展開もなく、
ただ淡々と終了していく。
３Ｄと銘打っているが、３Ｄならではのダイナミックな画像や、
フィクションに見られる観客を惹きつける「見せ場」もない。

キーラ・ナイトレイは相変わらず美しく、ジェイク・ギレンホールも相変わらずの
渋さを発揮しているのだが、両者とも史実に基づいて淡々と役割を終えていく。

登山に詳しくない自分は、大した盛り上がりのなく長めの前半が、
逆にミャンマーの風俗や登山の準備状況などとても興味深く楽しめたのだが、
後半の平坦すぎる展開は、もう少し演出で盛り上げが映画としては必要だったのではないかと思った。

まあ、これはこれでありなんだろうが、劇場へわざわざ観に行く価値はないだろうな。
そういう映画です。

　　　『電話で起こされたりはしません。』