役者 1流
画作り 1.5流
監督 3流
といった映画。
芸大マスター出の新進気鋭の監督と言うことで期待と「どうせ」という気持ちが
複雑に混じったまま鑑賞したが、開始数分で、「ああ、こりゃもうダメだ」となった。
とにかく展開がタルイタルイ。
映画芸術として、必要な間でも必然の尺でも無く、ただ単にカットを割れずに
一つ一つの画やエピソードを長くしているだけで、相米慎二と同じく監督に
「カットを割る能力が無い」ことがよくわかる作品。
シナリオ自体もメリハリが無く、かといって淡々と進めることで一定の効果や
叙情、メッセージ性を醸し出しているわけでも無く、単にアイディア不足、
練り込み不足の薄さ加減だ。
せっかく本編を90分台に収めた数字はほめたかったのに、この90分でも
だるすぎてだるすぎて、何度も映画館内で時計を確認したほどだ。
まず、小松菜奈が出てくるまでが約30分目。
そこまでただただヤギラ君が人を殴ってるだけ。
車のシーンは60分過ぎで、映画はもう2/3がこの時点で終了している。
車のシーン以降が映画としてはまだ見える部分であるが、前半のタルサは、
早送り出来ない映画館の中ではほぼ拷問だ。
重要な展開も車のシーンのあとにあるのに、前半のタルサのせいで
ここに尺や人物達の葛藤などをキチンと入れ込むことが出来ずに、
単に出来事が流れて行ってるだけになってる。
ならば、前半にストーリーとして観客を飽きさせないようなプロットを入れて、もっとテコ入れしなければならないし、逆に後半こそが内面をあぶり出す必要が
あったのに、まったくチグハグで幼稚な展開になっている。
その前半にしても、例えば小松菜奈の心情などは結局の所まったくわからずに、
ただ「そういう性格の女」という以上の描写が無い。
ただただカンジ悪い女、っていうだけの描写だ。
底が浅い。
いろいろと、フィルムの中に映っているキャラクターが、極度に薄っぺらいのだ。
一流の役者陣の演技に助けられてはいるが、彼らがもっと無能であれば、
もっともっとこの映画のクソさ加減がよくわかるようになっていたのではないだろうか。
同じメッセージ性で欧米の監督が取ったら、この役者陣でものすごい
エンターテインメントかつ、インパクトと迫力のある良作が出来たんじゃ
無いかと想像出来るだけに、ああもったいない。
画は悪くない。
カメラ位置はちゃんと低いし、所々に入っているスマホの画像も迫力や
この映画のメッセージ性に合っていて、効果を発揮している。
基本的には、少しだけ長い玉(35mmでいうと90mm〜135mmき望遠くらい?)
を使った画は、凡庸な日本の風景でもキチンと映画らしく見える良い手本だろう。
しかし、それは前半だけ。
ずーっとその画しかほぼ無いのは、どうなのよ?
ちょっと単調すぎて今日を損ねている。
平均は低くないが、それこそ「渇き。」のように、もっとインパクトを出して
冒険したカットもたくさん必要だったのでは無いか。
特にシナリオが短調でクソなんだからさ。
この真利子哲也?監督、シナリオもやってるとのことでちょっと酷すぎ。
一度、原作付きのエンターテインメントをやってみると、いろいろ勉強になって
「クズを題材とした映画を撮る監督は、本人がクズ。」という法則は、
またこの作品にもしっかりと適用されているようだ。
エンターテインメントでも無く、アートでも無く、画と役者の演技以外は、
いろいろとなんかギクシャクした映画である。
『ワシも乳揉んでみたい。』
☆☆☆☆☆☆ | 神!! |
☆☆☆☆☆ | UNBELIEVABLE!! ベスト映画! |
☆☆☆☆ | 素晴らしい!ぜひ皆に勧めよう |
☆☆☆ | 面白い。見ましょう。 |
☆☆ | なかなか面白い。 |
☆ | 見たければ見れば? |
- | どーでもいい。 |
× | 見るだけ時間の無駄。クソ映画。 |
×× | 超クソ映画。 |
××× | ふざけんな!作った奴誰だ! |
×××× | お前に映画を作る権利はない。 |
××××× | もはや言葉にできない。 |
×××××× | 悪魔!! |